IBM がブロックチェーンに賭けているのはなぜですか? Hyperledger プロジェクトの目的は何ですか?

世界的テクノロジー大手IBMは最近、サンフランシスコで開催されたブロックチェーンカンファレンスに参加し、ブロックチェーン業界への参入の決意をさらに示した。

昨年末、IBM は Linux Foundation が主導するオープンソース ブロックチェーン プロジェクトである Open Ledger Project (現在は Hyperledger Project に改名) への参加を発表しました。このプロジェクトは発表されるとすぐに、金融、テクノロジー、ブロックチェーン業界から幅広い注目を集めました。このプロジェクトには、IBMのほか、インテル、シスコ、ロンドン証券取引所グループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ステート・ストリートなど、金融テクノロジーおよび銀行業界の有力企業が参加している。今週、プロジェクトの参加者は、ABN AMRO、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、シカゴ・エクスチェンジ・グループ、コンセンシス、NTTデータ、レッドハット、シンビオントなど、30社に増えました。

IBMのグローバルブロックチェーンディストリビューションディレクターの约翰·沃伯特は、カンファレンスで基調講演を行い、今日のブロックチェーン開発者が使用しているアプローチの問題点と、ブロックチェーン技術を主流にするには協力が必要だと考える理由について説明した。

IBM は既存のブランドの影響力を活用して、エンタープライズグレードのブロックチェーンソリューションのリーダーとしての地位を確立しています。

ジョン・ウォルパート氏はスピーチの中で、この技術に関する IBM の理論的見解を簡単に説明しました。ウォルパート氏は、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンプロジェクトは「ブロックチェーン」の概念の第一世代であり、技術面でも見通し面でも欠陥があるため、企業による導入を促進できていないと述べた。

ウォルパート氏は聴衆にこう語った。

「ビットコイン、イーサリアム、その他のブロックチェーン プロジェクトの問題を解決できたらどうなるかと考えました。過去に Linux や Java を修正したのと同じように。ブロックチェーン プロジェクトは私たちにとってまったく新しいものではありません。これらの [プロジェクト] は素晴らしいと思いますし、実現に向けて協力したいと思っています。」

多くのビットコイン支持者や開発者はビットコインのプロトコルをインターネットと比較しますが、ウォルパート氏はそれに反対しています。彼はビットコインのブロックチェーンはインターネットとは異なると信じています。

ウォルパート氏は、ビットコインの初期の採用者は過激派ではなく、むしろ思想的に誤った考えを持っていたと述べた。インターネットには中心的な存在である Internet Corporation for Assigned Names and Numbers (ICANN) があります。これは 1998 年に設立された非営利団体で、IP アドレスの管理を担当しており、頻繁に連絡を受ける場所です。

「ビットコインの背後には賢くて才能のある人々がたくさんいますが、彼らはいくつかの論理を間違えています。すべてを信頼から信頼のないものに変える必要はありません。私はそれが正直な意見の相違だと思います…インターネットは許可された「壁で囲まれた庭園」です。ICANNについて聞いたことがありますか？許可制ですが、許可が必要です。匿名とは何ですか？ダークウェブです。」

ウォルパート氏は、ハイパーレジャープロジェクトの目的はエコシステム内の「最高のアイデア」をすべて1つのソリューションにまとめることであり、広く利用される取引プロトコルの必要性を考えると、これは必要だと考えていると述べた。

「それは電子メールでもウェブサイトでもありません。あなたのお金、それがすべてです。」

信頼

ウォルパート氏は演説の中で、IBMがプログラミング言語JavaとオープンソースのLinuxオペレーティングシステムをサポートしていることを例に挙げ、IBMはイノベーションを積極的に受け入れる企業ではないという見方など、いくつかの誤解を正そうとした。

「当社のアプローチはオープンであり、当社が責任を負わないものもサポートすることです。Java は当社が責任を負うものではありませんが、当社は Java をサポートしています。」

ウォルパート氏は、IBMがコンセンサスアルゴリズムと分散コンピューティングの専門知識を持っていることを強調し、そのメンバーの中には「30年」にわたってこの分野で働いている人もいると述べた。

ウォルパート氏はビットコインを、SpotifyやNetflixのような製品を生み出すNapsterやBitTorrentに似たものと見ている。彼はビットコインがブロックチェーンの概念を普及させたことを称賛した。

「ビットコインは人々にそのことに気づかせ、考え直させました。もちろん、それが理由であれば、ビットコインは非常に重要だと思います。」

ウォルパート氏は、IBMのHyperledgerプロジェクトに対する戦略について漠然としたヒントを与えた。

「それは不変でモジュール化されていなければなりません。これがコンセンサスアルゴリズムで、これがトークンであるとは断言できません。これらすべてがモジュール化されていなければなりません。スケーラブルでなければなりません。インターレジャー化は重要であり、異なるチェーンやものの間で相互運用性を確保する必要があります。」

ウォルパート氏は、Linux のようにさまざまなユースケースで広く使用されるオープンソースのブロックチェーン プラットフォームを構築する必要性について、自身の信念を明確に伝えました。

彼はこう言った。

「プラットフォーム間の競争やソリューションをめぐる競争を多く許容する構造が必要であり、インターネットをアプリケーションではなく構造となる経済的意識へと進化させる必要がある。」

鍵となるのはさまざまな利害関係者を巻き込むことだが、ウォルパート氏は、IBMの専門知識のサポートにより、Hyperledgerプロジェクトはある程度それを実現したと述べた。

「私たちは各ブロックチェーンのパイロットプロジェクトを構築し、これを数年間続けてきましたが、今度は統合プラットフォームを立ち上げたいと考えており、Linux Foundationとの協力を発表しました。」彼はこう付け加えた。

「現時点では、私たちはブロックチェーンに大きな賭けをしています。」

機会

Linux FoundationがHyperledgerプロジェクトを発表して以来、プロジェクトへの参加を希望する企業から2,300件の申し込みがあったとウォルパート氏は語った。これはこれまでのどのプロジェクトよりも4倍多い数だ。

ウォルパート氏は、この革新への急速な動きは、従来の金融サービス提供者が生き残るために革新を余儀なくされることを意味すると考えている。

「多くの銀行員は賢い。毎回成功するかどうかは気にしない。しかし、変化が起こる前に、できるだけ根本的に自分自身を向上させようと努める。」

参加者は増えているものの、今後の道のりはまだ不透明で容易ではないとウォルパート氏は認めている。

ウォルパート氏は次のように結論付けた。

「これは記憶に残る価値のある革命的なトレンドになるかもしれないし、あるいは世界を変えるかもしれない。」

元記事: http://www.coindesk.com/ibm-director-all-in-blockchain/
ピート・リッツォ
翻訳者: プランタン
編集者: プランタン
出典（翻訳）：バビット情報（http://www.8btc.com/ibm-blockchain-2）